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イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)

イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)

kakuyomu.jp
著者インタビュー:秋山瑞人先生
UFOの日:秋山瑞人からのメッセージ - イリヤの空、UFOの夏(電撃文庫) - カクヨム
秋山瑞人全作品紹介!全6作14冊+2編 - ネコショカ(猫の書架)


 19年前のライトノベルを未だに本棚の一番いいところに飾り、全世界的にUFOの日であるところの6月24日が近付く度に手に取って反芻し、初めて読んだ時の感動を思い出しては震える夏の夜。

 中学一年の塾の帰りに、ふと立ち寄った書店の新刊コーナーで異彩を放つ表紙に一目惚れしたのが運の尽きか。中学三年では駅のホームにあるベンチに何時間も居座って最終巻を読み終え、涙をにじませながら見上げた夕日の美しさは今でも忘れない。

 あれ以来、この作品は「オタクとしての私」の原点とも言えるポジションに鎮座している。

 30歳をいくつも過ぎた今、中学時代の記憶はもはや何もかもが懐かしく、またその大部分がおぼろげで子細を思い出す事など出来ないが、中学生でありながら今で言うネットカフェ難民の様な状態で街をさまよっていた当時の支離滅裂な私にとって、この作品を初めとしてライトノベルを読みふけっていた時間は健全で穏やかな青春の一ページとして魂に刻まれている。

 邪気眼とか中二病(当時は「厨二病」を多用していた気もするが)という表現がネットの外でも当たり前に使われ、それを題材にした作品も数多くある昨今、こんな事を言うと笑われるのだろうが、あの頃の私にとって、ライトノベルの物語こそが現実だったのだと思う。

 あれからずいぶんと年月が過ぎた。私という人間やそれを取り巻く環境は良くも悪くも変わった。

 あの頃の自分の状態を羨ましいと思う事はない。戻ってやりなおしたいという思いもないではないが、同じ体験をするというなら二度と御免だ。しかし時々、あの頃の様に、本当に心の底から羨望しながらライトノベルを読んでみたいという思いはくすぶっている。