Dog ears

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無題

 バイク漫画を読んでいると「いい歳してバイクに乗るなんて……」という様な定番ネタがあるが、ほんの去年辺りまで、そのネタの意味を理解出来ていなかった。バイクはみんな危険だが、大型バイク、それもリッター越えとなれば猶更そうで、明らかに人の「身の丈」に合う様な乗り物ではない。スーパーチャージャー付きのいかれたバイクに乗っているという自負は、買った当初こそやや自慢げだったが、1年乗りあかした今になるとその乗り物の恐ろしさが腹の底に極まってくる。ツーリングから帰ってきて地元の町中を走ってる様な中型の軽いバイクを見ると、その身のこなしの速さに思わず口笛を吹いてしまうほどだ。なるほど、色々乗ってきた中年オヤジ連中が口をそろえて「中くらいのがいい」と言う理由が分かるというものだ。過ぎたるは及ばざるがごとし。とは言え、客観的にものを見れば、バイクのリスクなんて大型も小型も大して変わらない。その軽さに調子に乗って峠を飛ばそうものなら同じ事だし、大型バイクを穏やかに走らせる事は言うほど苦痛ではない。ただそうは言っても「身の丈に合っていない」という感覚は拭えない。世間様は知らないが、バイクの世界は今や人間の物差しを追い越して久しい。私の愛車に限らず、100万そこそこで買えるやつでも既に「必要十分」を通り越している。これがリッタースーパースポーツなどになったら「何で公道走ってるの?」と言いたくなるレベルだ。200馬力を超えても豊富な電子制御のおかげで素人でも速く走れる時代になってしまった。だというのに、世間はバイクの事なんてまるで知らないかの様に穏やかに過ぎていく。そう、「その歳でバイクに乗るなんて」と言う側こそバイクの事を何も知らないのだ。それがどれほど危険かも知らずにただあやふやな印象で「危ない」と言っているだけなのだ。もっと危険だぞ!と私の理性は叫ぶ。いつか世間もそれに気付くのだろうか。気付いてほしいか?というと微妙なところだが。