Dog ears

更新時間 09:30、10:30、11:30、13:30、14:30、15:30、18:30、19:30

無題

 ネット上の私は常に反抗する。相手の粗を探し、それを言語化して、最も正しいと思っていられる立ち位置を作り上げる。何年も、何年も、何年も、私はそうやって「傍観者としての自分」を築き上げてきた。だから私は自分の卑怯さを自覚している。尖った言葉を使って相手の心をえぐり、対して自分の心は頑丈な壁で覆いながらタイトルをつける事さえ恐れてひっそりと呟いている始末だ。卑劣で、臆病で、孤独な、裸の王様でしかない。だからもう一人の私は言葉を捨てた。何も語らず、何も正当化せず、ただひたすら情報を発信する事で、何か良い事が出来ないものかと模索している。この分裂した相反する私達の姿を人はどう思うだろうか。想像上の私は常に殺されている。バイクに乗っている時、様々な瞬間で自分の死を意識する様に、ネット上の私はいつも誰かに八つ裂きにされていて、また、そうなる様に自ら望んでいる。剣で斬りつけられ、槍を突き立てられ、銃で風穴を開けられる様を想像しては、その方が自分に相応しいのだと感じている。馬鹿と言われれば馬鹿と認めたい。死ねと言われればその場で死ぬ事も辞さない。ネットに存在する上で不退転とも言えるその心地の裏にはそういう分裂した私達がいて、息の根を止めてくれる誰かをいつも探している。

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