無題

 子供の頃から変わらずにあった、おそらく百年や二百年ではきかないだろう近所の大きな木が、今日ばっさりと枝を切られている現場に遭遇した。衝撃だった。自分の知っている景色と違うという違和感がどうしようもなく押し寄せてきて、悲しさや寂しさを通り越し真っ白になった頭で呆然と眺めていると、次第に、引っこ抜かれたわけでなし、まだまだこれからだという様な、妙に前向きなものも感じられておかしかった。この件に限らず、何を失っても必ず何かが残り存在は続いていくみたいな事を時々思い出しては安心を深めている気がする。

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